高齢者は食べるのも命がけ……誤嚥性肺炎の原因と対処法

■高齢者に誤嚥、そして誤嚥性肺炎が起きやすい理由  日本人の死因で3位の「肺炎」ですが、その多くは高齢者です。高齢者は免疫機能が落ちているから、というのもその通りなのですが、それ以上に食事中の誤嚥(ごえん)、または自分のだ液による誤嚥が肺炎を引き起こすことがあるのです。  なぜなら、高齢者は咽頭蓋(こうとうがい)の筋肉が弱くなっており、しっかり蓋をすることができません。そのため、肺に入ってはいけないはずの食べ物やだ液が肺に入ってしまい、肺が炎症を起こしてしまうのです。これを「誤嚥性肺炎」といいます。  「誤嚥なら普通の人でも時々ありますよね?」と思った人もいるかもしれません。普通の人は、飲み込みに失敗するとむせ込みますが、ひとしきりむせこんだ後、「変なところに入っちゃったみたい」と笑って済むことがほとんどです。  一方、高齢者の場合、むせこむ体力すら残っていないことも多く、介護者が気づかないことも往々にあります。その場合、むせていないにも関わらず、だらだらと食べ物やだ液が肺に流れ込んでしまい、ひどい肺炎を起こし、突然の高熱が出て、ようやく誤嚥性肺炎だったと気づくこともあります。  また、食べ物は気管と食道の分かれ道に行く前に、いったん喉頭蓋谷(こうとうがいこく)に入りますが、このポケットに食べ物の一部が残ったまま「(全部)飲み込んだ」と反射神経が判断すると、気管が再び開きますので、残った食べ物がじわじわと気管のほうへ流れてしまい、誤嚥性肺炎になってしまうこともあります。  いずれの場合も、高齢者の誤嚥はひどい高熱を出し、重度の肺炎になってから見つかることが多いのです。誤嚥を起こしやすい状態は摂食・嚥下障害があるといわれます。重症の肺炎を起こしてしまった場合は、抗生剤等で治療を行いますが、最悪の事態が起こってしまうこともあります。  誤嚥性肺炎を防ぐためには、摂食・嚥下障害の有無に関わらず、食事中の誤嚥を防ぐことが大切です。そのためには、提供する食事の状態、高齢者本人の身体の様子、食事を食べるときの姿勢など、食事中に気をつけるべきことがたくさんあります。  また、食事中の誤嚥性肺炎よりも起こる頻度の高い「だ液による誤嚥性肺炎」については、口腔内の雑菌を減らすことが一番の予防策です。可能な範囲で、歯磨きや舌ブラシを使った「舌苔(ぜったい)」の除去、ぶくぶくうがいなどを行って、口の中を清潔に保つことが大切です。 ■ウチのおじいちゃん or おばあちゃんが誤嚥しているかどうかをチェックしよう  摂食・嚥下(食べること・飲み込むこと)の機能が衰えてきた場合に起こりやすい症状を挙げてみます(東京都 多摩立川保健所発行「摂食嚥下障害チェックシート」より)。 1.食事中にむせることがある 2.だ液が口の中にたまっている 3.飲み込むのに苦労することがある 4.固いものがかみにくくなった 5.舌に白い苔のようなものがついている 6.声が変わった(がらがら声や鼻に抜ける声になった) 7.よく咳をする 8.食べる量が減った 9.体重が減った(1カ月で5%以上、半年で10%以上)  以上の症状はほとんどの場合、重複して出てきます。  また、ひとくちに「食事中にむせる」といっても、軽度から重度までいろいろな症状があります。そのほか、さまざまな組み合わせがあり、その症状は人それぞれ異なります。いろいろな方法を試してみて、その人に最も合った食事の形態、ケアの方法を探していくことが必要になります。 吉田かばん カバン ブランド 吉田カバン スーツケース ブランド クレドラン ブッテロ メンズ バッグ ブランド tough