特売の肉、使わずに捨ててしまった…失敗しない「ポジティブ冷凍」とは

 特売で買った肉を冷凍しておいたのに使い忘れて結局、捨ててしまった-。「とりあえず」の冷凍は、こんな失敗が多い。おいしさと調理の時短や簡便化につながるポジティブ(前向き)な冷凍方法とは-。(榊聡美)  ◆とりあえずで忘れ  ベターホーム協会(東京都渋谷区)が実施した調査によると、家庭で冷凍した食品を「使わずに捨ててしまった」経験がある人は約7割に上る。  冷凍は食品を長期保存できるのが最大の利点。ところが、「賞味期限直前や鮮度が落ちてきたときに冷凍する人も多い。とりあえず冷凍庫へ入れて安心し、早く使おうという意識が薄れてしまうのでは」。同協会の料理教室講師、新保千春さんはこう話す。  冷凍したのに使わずに捨ててしまったことがある食品のトップは「肉類」。「使い忘れて古くなっただけでなく、誤った方法で冷凍・解凍したため、味が落ちてしまうことも少なくありません」  解凍肉の鮮度や味の目安になるのが「ドリップ」。肉に含まれる水分が凍って細胞膜を壊し、解凍すると細胞内の氷が溶け、水分が流れ出す。このドリップには肉本来のうまみや栄養も含まれるため、量が多いほど肉の味はぐっと落ちてしまう。  ◆下ごしらえの一手間  ドリップを出さずに解凍・調理するにはどうしたらいいか。新保さんは「冷凍前の下ごしらえがポイント」とアドバイスする。  肉に塩などで下味を付ければ浸透圧で中の水分が表面に出て、細胞内の水分を減らすことができる。味がしみているので凍ったまま加熱調理でき、ドリップが出にくい。おいしさを逃さないだけでなく、解凍する時間がいらない分、時短にもなる。  冷凍すれば硬い塊肉や鶏のもも肉も軟らかくなる。保存というより、料理をスピーディーに、おいしく仕上げるために冷凍を活用するのが「ポジティブ冷凍」の発想だ。  表のように、肉の種類に応じて、下味を付けておくと良い。「シンプルな味付けなので、和洋中、どんな料理にも使えます」と新保さん。  保存袋に入れたら、空気を抜いて薄く平らにするのがコツ。速く凍り、冷凍庫の中で立てて保存できる。賞味期限の目安は約1カ月。保存袋には賞味期限と、凍って変色しても中身が分かるように品名も書いておく。  この下味を付けた塊肉(豚肩ロース肉)を使えば、下ゆでなしで味のしみた角煮が出来上がる。しょうゆや塩麹(こうじ)などで下味を付けるのもお勧め。はちみつじょうゆで下味を付けた豚こま切れ肉は炒め物に重宝する。  「下ごしらえが済んだ肉を冷凍庫でストックしておけば忙しいときに助かります。この時期はゲリラ豪雨などで、急に買い物に行けなくなることも。そんなときも安心です」  冷蔵庫とは反対に、冷凍庫は隙間なく、多くのものを入れた方が省エネになる。食材を安いときに買って、使いやすいように一手間加えて冷凍しておく習慣が「本当の節約」になりそうだ。 吉田かばん カバン ブランド 吉田カバン スーツケース ブランド クレドラン ブッテロ メンズ バッグ ブランド tough