認知症発見、市が手助け 金沢市、加賀市でもの忘れ健診

 石川県内で認知症患者の早期発見と適切な治療に向け、金沢、加賀の両市が高齢者を対象にした「もの忘れ健診」に取り組み始めた。かかりつけ医の問診と簡易検査で異常が認められれば、専門医による検査を促し、いち早く認知症を見つけ出す。厚生労働省の推計で65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍とされ、症状の進行を遅らせる早期発見、治療を図ることで、本人と家族の負担軽減につなげる。  加賀市は今月から65歳以上の市民を対象に、もの忘れ健診に乗り出した。要支援、要介護認定者を除く全員に年1回、「介護予防基本チェックリスト」を送付し、認知症の関連項目に一つでも該当すると返答した人に受診を促すことで、認知症を早期発見する。  市内30カ所の医療機関では、問診中心の「脳の健康度チェック」、立方体の模写や名前の暗記などを課す「認知症簡易スクリーニング」を受け、症状の疑いがあれば専門医を紹介する。  金沢市も昨年度から76歳を迎えた市民を対象に、もの忘れ健診を始めている。市が医療機関に委託する「すこやか検診」の際に、かかりつけ医が1次的な問診と記憶力などを試す2次的な認知機能を検査し、認知症の可能性があれば専門医の精密検査を勧める。  市によると、昨年度の対象者は4119人で、39・6%の1631人が受診した。うち416人が2次検診を受け、精密検査が必要とされたのは92人だった。  厚労省の推計では、2012年時点で国内の65歳以上の認知症患者が約462万人に上った。認知症になる可能性がある軽度認知障害の高齢者も約400万人を数え、65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍とみられる。  認知症には現時点で特効薬がないとされ、症状が進むと徘徊(はいかい)や暴力といった症状が見られることもある。しかし、進行を遅らせる薬や焦燥感などを抑える薬の開発が進んでおり、加賀市の担当者は「症状の疑いがあれば、少しでも早くもの忘れ健診か専門医の診察を受けてほしい」と呼び掛けている。 ポーター ビジネスバッグ ブランド リュック 人気 鞄 ブランド aniary slow クレドラン head porter