<愛媛少女遺体>「暴力受けている」通報 先月、警察が訪問

 愛媛県伊予市の市営住宅で、松山市の無職、大野裕香さん(17)の遺体が押し入れから見つかった事件で、今年7月、地元伊予署に「居候している女性がよく暴力を振るわれている」との通報があり、捜査員が死体遺棄容疑で逮捕された窪田恵容疑者(36)宅を訪問していたことが分かった。6月にも窪田容疑者の子供と大野さんがけんかを理由に同署に事情を聴かれており、県警は今回の事件以前に予兆を知るチャンスがあったことになる。  県警によると、今年6月24日、窪田容疑者の子供と大野さんが「けんかをした」と伊予署に出頭してきた。2人とも「自分が悪い」と話しており、けがの程度が軽かったため帰宅させた、という。さらに7月19日には、近所の住民からの通報で捜査員が窪田容疑者宅を訪問。留守で会えなかったが、その後、窪田容疑者と電話連絡が取れ、窪田容疑者は大野さんに関し「1~2週間前に出て行った」と説明した、という。  同署は大野さんの親とも連絡を取り「娘さんはどうですか?」などと尋ねたところ「家出状態です」と答えたため、同日中に行方不明者届を出してもらったと説明している。同署幹部は「被害者が亡くなった事実を踏まえると、さらに踏み込んだ対応をした方がよかったのかと考えている」と話した。  大野さんの友人は「大野さんは、『よくけんかする』と言っていた。窪田容疑者やその家族に、家の誰かとタイマン(1対1のけんか)をさせられていたようだ」と話す。この友人は「昨年の秋ぐらいに最後に会ったが、その頃から家に閉じ込められがちになって、バイトも行けないようになり辞めた」と話す。窪田容疑者を知る人は「洗濯や食器洗い、小さい子供の保育所の送迎など家事を全部やらされていたらしい」という。  頻繁に部屋を訪れていた別の20代男性は「(大野さんは)最初こそ一家と仲が良かったが、2カ月ほど前に家を訪ねた時は険悪な雰囲気だった。2~3週間前には目が腫れ上がるなど顔がひどいことになっていた」と話した。近所の女性は「あれだけひどいことをされているのに、なんで居候していたのか」といぶかしんだ。  新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は「家出して逃げ場のなかった少女は、経済的にも心理的にも依存せざるを得ない状況になったのではないか」と推測したうえで、「支配のためのルールに逆らえば激しい暴力を加えられるような関係になれば、鎖で監禁したのと同じ状況に陥る」と分析した。 ポーター ビジネスバッグ ブランド リュック 人気 鞄 ブランド aniary slow クレドラン head porter